フランス語1E 第10回
Ⅰ -ir動詞の活用(その1)
1)-ir規則動詞の活用
-ir規則動詞の活用は次のようになります。
finir終わる
単数 複数
1人称 Je finisジュフィニ Nous finissonヌーフィニソン
2人称 Tu finisテュフィニ Vous finissezヴーフィニセ
3人称 Il finitイルフィニ Ils finissent イルフィニス
同様の変化をするir動詞
choisir 選ぶ obéir 従う grandir大きくなる など
問題1 上の三つの動詞について、すべての活用を記しなさい。
2)-ir不規則動詞の活用
①今週はまず-tir, -vir型不規則動詞の活用を取り上げます。
partir(出発する)の場合
単数 複数
1人称 Je parsジュパール Nous partonsヌーパルトン
2人称 Tu parsテュパール Vous partezヴーパルテ
3人称 Il partイルパール Ils partentイルパルト
同様の変化をする動詞
sortir 出る sentir 感じる servir奉ずる、サービスする
問題2 次の和文を仏訳しなさい
私は今日、外出する。
あなたは仕事(le travail)を終えますか?
彼らはその赤い車を選びません。
Ⅱ:形容詞の特殊性変化(4)
男性単数形が-fで終わる形容詞は、女性単数形は-veに
複数形はそれぞれの単数形にsを加えます
例 naïf 無邪気な sportif スポーツが得意な
男性形 女性形
単数形 naïf
sportif naïve sportive
複数形 naïfs
sportifs naïves
sportives
同様の変化をする形容詞 positif 積極的な négatif 否定的な attentif 注意深い
2)その他女性形が特殊変化するもの(複数形はそれぞれの単数形にsをつける)
①公の public (男性形) ⇒ publique (女性形)
トルコのturc ⇒turque, ギリシャのgrec ⇒greque も同様の変化
発音は変わらない。
bancs publics ベンチ(複数)、tragédie greque ギリシャ悲劇
②長い long(男性形) ⇒longue (女性形)
発音は男性形の場合は「ロン」、女性形は「ロング」です。
③白い blanc(男性形) ⇒blanche (女性形)
発音は男性形の場合は「ブラン」、女性形は「ブランシュ」
率直なfranc ⇒franche も同様の変化です。
Emiko est franche エミコははっきりものを言う性格だ。
Voilà le Mont Blanc ほら、あそこにあるのがモンブラン(=白い山)です。
La Blanche Neige 白雪姫 (neige=雪)
④新鮮な、涼しいfrais(男性形) ⇒fraîche
男性形は「フレ」、女性形は「フレッシュ」となります。複数形は男性は不変、女性形はsが加わります。
Les huîtres d’ici* sont frais ここのカキは新鮮だ。*iciここ
⑤甘い doux (男性形)⇒douce(女性形)
男性形は「ドゥー」、女性形は「ドゥース」となります。複数形は女性形のみsがつきます。 嘘の、偽りの faux(フォー)も同様に女性形はfausse(フォース)となります。
la fausse monnaie 偽造通貨
généreux 寛大な sérieux まじめな
問題2 次のカッコ内の形容詞を性数一致させなさい。
アテネはギリシャの首都である。Athène est la capitale (grec).
その魚は新鮮ですか? Est-ce que la poisson est (frais)?
私は甘いお菓子は好きでない。Je n’aime pas les gateaux (doux)
あそこに長い橋がいくつかあります。Il y a des (long) ponts.
アメリカ大統領はホワイトハウスに住んでいます。
Le président américain habite dans la Maison (branc)
Ⅲ:月を覚えましょう(すべて男性名詞です)
1月 janvier 2月février, 3月mars
4月 avril 5月mai 6月juin
7月 juillet 8月août 9月 septembre
10月octobre 11月 novembre 12月 décembre
年月日は日、月、年の順に言います。また「何年何月何日に、」を文章で用いる場合は、日付の前にleまたはauをおきます。
私は1970年4月16日に生まれました。Je suis né au 16 avril 1970.
日付は「1日」だけpremierと序数で表しますが、他の日付は基数となります。
「何月に」と日付なしで表現する場合は「~に」にあたる前置詞はenを使用します。
私は九月に旅行する。Je voyage en septembre.
Ⅳ:発音練習―鼻母音の発音
フランス語の発音の最大の特徴は「鼻母音」(鼻腔から抜ける音声)があることです。たとえば日本語の場合は「ん」という発音は、一つの音節(シラバス)として数えられます(たとえば俳句や和歌の字数に「ん」が数えられます)。英語の場合は、nの発音は一音節とは考えられませんが、たとえばcanという単語は[kæn]というふうに三つの独立した音素からなると考えられています。これに対してフランス語のan(-am-), in(-im-), un(-um-), en(-em-), on(-om)は、この部分が一つの音声と考えられていて、つまりanという音声は英語ならばaとnが組み合わされたものですが、フランス語ではそうではなく、aが「鼻母音化」するだけなのです。
もう一つ重要な点は、in(-im-)とen(-em-)の音声です。フランス語以外の話者は鼻母音を理解できてもよくこれを「イン」「エン」と発音していますが、これは誤りで、どちらもカタカナで書くと「アン」です。ただし、inは鋭い「アン」に聴こえ、enはむしろ「オン」に近いように聴こえます。類似の単語に気をつけてください。
Provence プロヴァンス地方 province (パリに対する)地方、(カナダなどの)州
important アンポルタン 重要な (「インポルタン」ではない)
Inde アンド インド Pékin ペカン 北京 Finlande ファンランド フィンランド
pinguin パングワン ペンギン
gingembre ジャンジャンブル しょうが
cinq cent cinquante-cinq サンサンサンコントサンク 555
point ポワン 点